ガラスネガ


 

 ガラス乾板はフィルムが発明される前に使われていた感材で、ガラスに銀乳剤を塗ったもの。今から考えると脆く重く傷がつきやすい厄介なものですが、撮影現場に暗室が必要だった湿板写真に比べるとものすごく扱いやすく、当時としては画期的な発明でした。
この発明によりアマチュアも写真を撮れるようになったと思います。
写真自体は古い物で傷やカビがありましたが、頑張ってきれいにしてみましたどうでしょうか。

 この写真はきっちり撮影されており周辺部の画像の乱れも少ない。良いレンズを使い適正な露出に丁寧な現像。どうやら写真館の写真技師が撮ったものらしい。ほかに工場内で作業している写真もあるので、何かの記念で撮った記録写真のようです。
この写真に写っている人の服装から大正か昭和の初期のものと思いますが、この写真の経歴が全く分かりません。瓦か豪雪地帯用ではないということと、分かりにくいですが建物の向こうの空に電車の架線のようなものが写っています。看板を読むと「阿部撚糸工場」と書かれていますが、現存している会社かどうかわかりません。

2020年12月27日